見えない気配/痕跡

アーティストと共に
この場所の痕跡を探る

  •  「見えない気配/痕跡」は、震災と原発事故による複合災害により浜通りから失われたもの​の気配や痕跡を辿るだけでなく、この先にあり得るかもしれない複数の未来の可能性を探求​し、その可能性の断片を作品として可視化させることを試みるアートプロジェクトです。目に見える復興やハードの整備が進む一方で、その場所から消えてしまった記憶や、目には見えないけれど確かにそこに存在する「気配」を、アートの手法を用いて可視化(または感受)することを目指します。物理的な痕跡を辿りながら、土地の精神的な重なりを掘り起こし、私たちと土地との新たな関係性を結び直す試みです。

    プロジェクト期間:2024年4月-
    展示会期:2025年1月14日-21日
    会場:大熊インキュベーションセンター(福島県双葉郡大熊町下野上清水230)

  • 1. 身体的アプローチによる場所の読み解き

    アーティストが対象となる地域を徹底的に歩き、五感を研ぎ澄ませて土地の「気配」を採取することから始まります。残された石垣、植生の変化、あるいは風の通り道といった微細な痕跡を、身体を通じて丁寧に読み解くフィールドワークを重ねます。

    2. 記憶の断片を掬い上げる対話と採集

    土地に縁のある人々へのインタビューや対話を通じ、公的な記録には残らない個人的なエピソードや生活の断片を掬い上げます。語られることのなかった物語を「痕跡」として捉え、それらを作品の素材やコンセプトへと昇華させる実験的なプロセスを展開します。

    3. 空間・身体・感覚の変容を促す表現の実装

    リサーチに基づき、映像、インスタレーション、パフォーマンスなど、場所の特性に応じた表現を実装します。観客がその場に身を置くことで、見過ごしていた気配を感じ取り、自分自身の内面にある感覚と土地の歴史が重なり合うような体験の場を創出します。

  • 1. 土地の多層的な物語の可視化

    単一の「震災遺構」や「被災地」という視点だけではない、その場所が持つ長い歴史や生活の質感を多層的に描き出しました。これにより、訪れる人が土地に対してより深い敬意と想像力を持って向き合うための、新しい回路を開くことができました。

    2. 喪失感を「共存」へと変容させる感性の共有

    「かつての姿がない」という喪失の感覚を、アートを通じて「気配として共にある」という受容の感覚へと変容させました。見えないものを感じる力(想像力)を養うことで、変化し続ける風景の中でしなやかに生きるための精神的なレジリエンスを育みました。

    3. アーカイブの新しいあり方の提示

    資料館のような情報の蓄積とは異なる、身体感覚を通じた「記憶の継承」のあり方を提示しました。場所そのものが持つメッセージを感受するこの手法は、inVisibleが掲げる「invisible to visible」を象徴する知見として、他の地域活動にも応用可能なモデルとなりました。

  • アーティスト:新津保 建秀(写真家)、細井美裕(サウンドアーティスト)

    プロデューサー:阿部峻久

    キュレーター:山本曉甫

    記録撮影:吉田和誠

    アシスタント:日向志帆

    主催:見えない気配/痕跡 プロジェクト

    助成:公益財団法人 福武財団

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