Relight Project

問いかけと、気づきの光を。

  • 歳月とともに変わりゆく、東日本大震災に対するそれぞれの思い。
    その思いに改めて向き合い、今を生き、そしてより良い未来をつくりだすために私たち一人ひとりができることはなんだろうか。
    人々の心に問いと気付きを生み出す装置として、2016年3月11日、5年ぶりに『Counter Void』に光が灯った。

    そして今、職業や立場に関わることなく、私たち一人ひとりが社会をつくりだす「社会彫刻家」として生きていくことが、東日本大震災以降を生きる私たちが引き受けるべき役割だと考えこのプロジェクトに取り組みました。

    プロジェクト期間:2015年4月-2018年3月

    Relight Days
    展示会期:2016年3月11日 - 3月13、2017年3月11日 - 3月13日、2018年3月11日 - 3月13日
    会場:六本木ヒルズけやき坂『Counter Void』前(東京都港区六本木6‐9)

  • 震災の記憶を刻むパブリックアートの再点灯

    東日本大震災をきっかけに作者の宮島達男氏自らの手で消灯された六本木のパブリックアート「カウンター・ヴォイド」を、震災の記憶を留め社会に問い続けるための装置として生まれ変わらせるプロセスを歩みました。震災から5年が経過した2016年から、毎年3月11日を含む3日間限定で作品を再び点灯させる「リライト・デイズ」を開催。生と死というテーマを軸に、都市空間の中で一人ひとりが震災以降の生き方に向き合う場を創出しました。

    社会彫刻家を育成する学びの場の運営

    プロジェクトの一環として、アートと社会の新しい関係性を探求する学びの場「リライト・コミッティ」を運営しました。参加者は、誰もが自らの創造性によって社会を形作ることができるというヨーゼフ・ボイスの社会彫刻の概念を学び、対話を重ねるプロセスを重視しました。専門家による講義やフィールドワークを通じて、単なるイベントの運営者に留まらず、自発的に問いを立て社会に対して具体的なアクションを起こす市民を育てることに注力しました。

    ワークショップを通じた対話の可視化

    リライト・デイズの期間中には、参加者が自らの想いを言葉にするワークショップ「3.11が□ている。」などを実施しました。巨大な作品を前にして、鑑賞者が自分自身の記憶や体験から想起した言葉を空欄に書き込み、SNSなどを通じて共有するプロセスを設計しました。個人の内面にある多様で変化し続ける震災への想いを可視化し、一方的な発信ではない、双方向のコミュニケーションによる「旅」のような体験を提供しました。

  • 都市における「生と死」の対話装置の確立

    震災後、闇に包まれていたパブリックアートを再点灯させたことにより、日常の風景の中に「生と死」を考える対話の回路を確立しました。六本木という情報の中心地に、あえて静寂と深い問いを持ち込むことで、震災の記憶を風化させないための強力なモニュメントとしての役割を果たしました。3日間限定の点灯という仕組み自体が、命の有限性や尊さを再認識させる契機となり、都市生活者に深い省察の時間をもたらしました。

    自律的な表現者コミュニティの誕生

    リライト・コミッティの活動を通じて、職業や立場の枠組みを超えた「社会彫刻家」としての自覚を持つ市民のコミュニティが形成されました。このプログラムの卒業生たちは、プロジェクト終了後も各地で独自の活動を展開しており、アートの力を借りて社会課題に向き合う人材の基盤を築きました。単発の支援に終わらず、参加者一人ひとりの内面的な変容が、継続的な社会参加へと繋がっていく持続的な成果を上げました。

    震災記憶の継承と新たな語り口の提示

    3回にわたるリライト・デイズの開催を経て、震災から時間が経過し社会状況が変化する中で、いかに記憶を継承していくかという新たなモデルを提示しました。アーカイブとして残された参加者の言葉や記録は、震災を普遍的な問いとして捉え直すための貴重な資産となっています。パブリックアートの終わり方や再生のあり方を社会に問い直し、日本におけるアートによる社会実装の先駆的な事例として大きな足跡を残しました。

  • アートディレクション:長嶋りかこ

    グラフィックデザイン:真崎嶺、岡崎真理子

    冊子編集:桜井祐、室内直美

    印刷:グラフィック、重岡美術

    写真/映像:丸尾隆一

    WEB:藤本 圭

    プロジェクト監修:宮島達男

    主催:東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、NPO法人インビジブル

制作物

記録写真

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