FUKUSHIMA inVisible Journey
地震、津波、原発事故から14年。
一度、人が住めなくなった地域で、
アートと暮らしが交わり
新しいプロジェクトが生まれています。
あなたの知らない福島と、出会いにきてください。
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「FUKUSHIMA inVisible Journey(FiJ)」は、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故という未曾有の複合災害を経験した、福島県浜通り地域の「今」を多角的な視点から国内外へ発信するアートプロジェクトです。本プロジェクトは、単なる記録の展示に留まらず、目に見えにくい地域の記憶や感情、そして現在進行形で変化し続ける土地の姿を、アーティストの眼差しを通して可視化することを目的としています。
今回は、NPO法人インビジブルが2018年から浜通り地域で継続的に展開してきた9つのプロジェクトを紹介しました。リサーチやワークショップから生まれた表現、アーティストと住民による共創の軌跡、各活動のアーカイブ資料に加え、地域の日常風景を象徴するフレコンバッグ(除染土等の保管袋)などを展示。震災から十数年が経過した現在の「福島のリアリティ」を多層的に描き出しました。
福岡会場
展示会期:2025年12月12日(金)– 14日(日)
会場:VIEWW(福岡県福岡市中央区薬院4丁目3-2)、マヌコーヒー ロースターズ クジラ店(福岡県福岡市中央区白金1丁目18-28)京都会場
展示会期:2026年1月28日(水)– 31日(土)
会場:QUESTION(京都府京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390ー2) -
徹底した現場リサーチと日常の記録
本プロジェクトの核として、福島県浜通り地域への継続的な訪問と対話を重視しました。2018年から築いてきた地域との信頼関係を土台に、風景や遺構、住民の言葉を丁寧に収集。表層的な報道では捉えきれない、土地に深く根ざした「日常の断片」をアーカイブ化するプロセスを徹底しました。
対話による「物語」の編纂とクリエイティブ
福島から離れた「福岡」や「京都」でリアリティを届けるため、現地のパートナーと議論を重ねました。アートディレクター土屋勇太氏の起用により、ヴィジュアル・アイデンティティを統一。点在していた活動の断片を一つの**「旅(Journey)」という物語に繋ぎ合わせる**ことで、来場者が深い没入感を得られる展示を設計しました。
浜通りで発信すべき活動の紹介
自団体の活動紹介に留まらず、浜通りで活動する他団体の情報も積極的に発信・展示しました。地域の多様な営みを包括的に提示することで、来場者が特定のプロジェクトへの関心を超え、浜通り地域そのものへ多角的な興味を抱き、実際に現地へ足を運ぶきっかけとなるような広がりのある場づくりを実践しました。
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福島のイメージ更新と確かな動員
2025年に実施した福岡と京都の両会場で合計781名の動員を記録しました。来場者の多くは展示された記録写真やドキュメントを通じて、これまでメディアを通して知っていた福島のイメージが更新される体験を共有しました。特にトークイベントでは多様な専門家や表現者が登壇し、震災遺構の保存のあり方や土地の記憶をどう継承していくかについて具体的かつ建設的な議論が交わされました。
地域を超えた対話の回路の創出
アートという媒介を通じて、福島と他の地域との間に新たな対話の回路が開かれました。アンケートや対話からは自分たちの土地の未来を考えるきっかけになったという声が多く寄せられ、福島の経験が普遍的な問いとして他者に届いたことが裏付けられました。福島で起きていることを自分たちの問題として捉え直す機会を創出したことは、本プロジェクトの大きな到達点といえます。
未来へ対話をつなぐ資産の蓄積
収集された記録写真は単なる過去の証明ではなく、現在進行形の福島の息遣いを伝えるものとなりました。これらのドキュメントは展示終了後も、様々な場所で対話の種を蒔き続けるための貴重なリソースとして蓄積されています。福島の対話を一時的なものに留めず、今後も継続的に知見や問いを共有し続けるためのプラットフォームとしての役割を担っています。
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アートディレクション:土屋勇太(HOUSAKUinc.)
編集:嘉原妙
記録写真:土屋勇太、小黒 恵太朗
福岡パートナー:桜井祐研究室(九州産業大学芸術学部)、TISSUE Inc.
京都パートナー:株式会社ツナグム
プロジェクトアシスタント:日向志帆(NPO法人インビジブル)
プロデューサー:山本曉甫(NPO法人インビジブル)
主催:NPO法人インビジブル
このプロジェクトは福島県「令和7年度ふるさと・きずな維持・再生支援事業」の補助金の交付を受けて実施しました。