Q. 「メンタルヘルス」と聞いた時に、一番最初に思い浮かぶ言葉、イメージはなんですか?

ABOUT

  • 科学だけではこの仕事はできません。アーティスト、作家、キュレーター、デザイナー、映画制作者など、文化的実践者と密接に協力し、幅広い分野や専門的背景を持つ人々を集め、一人ではできないことを一緒に実現していきたいと思います。
    ダニエラ・オルセン ウェルカム・トラスト 文化パートナーシップ責任者


    マインドスケープス(Mindscapes)は、アート・文化的な視点と実践から、ウェルカムが掲げる3つの健康課題の1つ「メンタルヘルス」に関する理解や対処、議論を根本的に問い直すことを目的に、ニューヨーク(アメリカ)、ベンガルール(インド)、ベルリン(ドイツ)、東京(日本)の世界4都市のパートナーが相互に連携している国際的な文化プログラムです。

    世界では、毎年4人に1人が何らかの「心(こころ)」の問題を経験すると言われています。ウェルカムが力を注ぐメンタルヘルスの分野では、脳、身体、環境がどのように相互作用するのか科学的理解を深め、精神衛生上の問題の中で最も一般的かつ深刻な症状である不安、うつ、精神病にかかわる研究に資金援助を行っています。また、迅速かつ効果的な対応方法の究明に重点を置きながら、科学的、社会的、文化的な側面から総合的にアプローチしています。

    マインドスケープスは、メンタルヘルスにおいて、科学、社会、文化の関連性を高める機会として2020年に始動しました。アーティスト・イン・レジデンスを始めとした様々な文化芸術活動を通して、異なる環境で生活する人々やコミュニティが直面する心の問題に、種々の課題と向き合いながらいかに新しい視点を提供できるか検証するための試みです。

    また、マインドスケープスの大きな特徴は、各パートナー都市の文化的背景を踏まえ、異なる文脈における「メンタルヘルス」の解釈や課題への取り組みに対し、自主性を重んじる姿勢を尊重することです。そして、専門的な知識や実践における多様な形態を認めた上で、一人ひとりの「生きた経験(Lived Experience)」を大切にしています。専門性の枠や経験値に捉われず、それぞれの人の営みや日々の経験に基づいた意見と考えを交換し、コミュニケーションを通じてわかり合う機会を設けることで、本質に触れた新たな発見・発想が生み出されると考えています。

    このような背景を基に、2022年からスタートした「マインドスケープス東京」は、NPO法人インビジブルが共同主催者として、日本の都市のメンタルヘルスを多角的な視点で考える対話集会「コンビーニング」、並びに、アーティストとユースが共同でメンタルヘルスについて探究する実験的アートプロジェクト「UI都市調査プロジェクト」の両事業の企画運営を担っています。また、森美術館で開催された「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」展の参加作家、飯山由貴さんの作品《影のかたち:想像された共感》は、マインドスケープスの一環であるアーティスト・イン・レジデンスの助成を受けて制作されました。

    NPO法人インビジブルは、本活動の経験と学びを数年かけて熟成させ、プロトタイプとなるプロジェクトの立ち上げを構想しています。現在パンデミックや自然災害によって、私たちを取り巻く社会と生活環境は大きく変化しています。この状況に応答する芸術的実践のあり方を、「こころ(心)」の健康の課題を抱える地域や団体と連携を深めながら、長期的な視野で“日本的な”メンタルヘルスへのアプローチを探究することを目指します。

    「こころの風景たち」とも意訳できるMindscapes。
    一人ひとりの心には、それぞれの経験からしか見えない景色があります。多様性を尊重し、アートや文化的な視点があるからこそ表出されるものがあると確信しています。

    主催:ウェルカム・トラスト、NPO法人インビジブル

    文:菊池宏子/2022年7月プロジェクト始動時点

  • ウェルカム・トラストは、医学研究の推進を目的として1936年にイギリスのロンドンで設立された公益財団です。これまで、人類が直面する健康課題の解決につながる先進的な科学的調査や医学研究を長期的な視野に立ちグローバルに支援してきました。

    ウェルカムは、メンタルヘルス、気候変動、感染症という、世界のあらゆる地域社会が直面する3つの健康課題に対し、人々の健康の更なる向上を促すことを目的として様々な支援活動を展開しています。

    なかでも、生命、健康、ウェルビーイングの再考と再提案の機会を創出し、社会科学や人文科学を含む幅広い分野における探索的研究を後押しすることに焦点を当てています。中長期的な視点で研究者の知的好奇心や直感を尊重し、より創造的な共同研究の環境を提供することこそが、新たな知識の創生、将来の健康増進への貢献、そして、より具体的な改善策の提案への鍵を握ると考えます。このように、ウェルカム独自の方針に基づく理念を反映した発見的研究を行っています。

    さらに、世界中の誰もが健康科学の恩恵を享受することを願い、様々な組織と連携しながら啓発活動を推し進め、包括的な解決策につながる支援にも力を入れています。

    ウェルカムは、イギリスの製薬会社バロウス・ウェルカム社(Burroughs Wellcome & Co.)を創設したアメリカ人起業家、ヘンリー・ソロモン・ウェルカム卿(1853-1936)の財産管理を目的に設立されました。科学者としても独特の感性を備えていたウェルカム卿が、生涯をかけて収集した「医学(Medicine)」に関する医療器具をはじめ、工芸品や絵画など芸術作品の収集品は、150万点以上に及びます。

    2007年には、それらのコレクションをもとに、科学、医学、生活、芸術の各分野を横断しながら、健康について新たな視点をもたらすことを目指し、無料の博物館・図書館「ウェルカム・コレクション」がオープンしました。同館の運営はウェルカム・トラストが担っています。

  • プロジェクト統括アーティスト:菊池宏子
    チーフマネージャー:磯谷香代子
    マネージャー:荒生真美
    プロジェクト・コーディネーター(インターナショナル・リレーション、MTWユース実行委員会):富樫多紀
    プロジェクト・マネージャー(UI都市調査プロジェクト):戸塚愛美
    プロジェクト・スタッフ:イ・ユビン
    プロジェクト・スタッフ:ミ・ショシン
    インターン:唐川麻祐子

    記録チーム
    ディレクター:西野正将
    撮影:西野正将、玄宇民
    写真:冨田了平

    WEB制作チーム
    サイト制作:イ・ユビン
    進行・管理:荒生真美、富樫多紀、國田葵
    翻訳:唐川麻祐子、菊池宏子
    制作ノート:清田結、久保谷日葵、柴田空、玉谷奏空、野村優那、キチベエ株式会社(多田公介)、登久希子

    アートディレクター:田中せり

    編集:中村志保
    ライター:白坂由里、杉原環樹

    マインドスケープス・キュレトリアル・リサーチ・フェロー:登久希子
    プロデューサー:林曉甫

    スペシャルサンクス:秋元菜々美、葛西優香、葛西啓之、佐藤有佳里、下枝浩徳、椙山由香、ほっちのロッヂ(唐川恵美子)、森健太郎、humunus(キヨスヨネスク、小山薫子)、ほっちのロッヂ(唐川恵美子)

  • 「人」という漢字は、立っている1人の人間の姿から由来しています。そして、「Mindscapes Tokyo」のロゴマークの「M」は、2つの「人」が親密に寄り添った姿を描写しています。メンタルヘルスは、人々の間で絶えず変化し、相互に影響を及ぼす存在です。同時に、個人の力だけでは立ち上がることが困難な人々が寄り添い、互いに支え合う存在であることを、このロゴは表現しています。

    ロゴイメージ

    デザイン:田中せり グラフィックデザイナー
    東京を拠点に、ブランディング、ビジュアル・アイデンティティ、広告、パッケージデザインなどを手がける。主な仕事に、日本酒せんきんや本屋青旗のロゴデザイン、森美術館「アナザーエナジー」展のポスターデザインなど。また、パーソナルワークも発表している。

「雑感を記す」では、マインドスケープス東京の活動レポートやインタビュー記事、コンビーニング参加者の観点からメンタルヘルスとアートについて執筆されたシリーズ全6回などをまとめています。

日本の「メンタルヘルス」を多角的な視点から考えるための対話集会

  • コンビーニング(Convening)は、マインドスケープスの趣旨・目的に賛同する様々なバックグラウンドを持つ参加メンバーと共に、アート/文化の視点からメンタルヘルスについて対話を重ね、学び合うことを目的とした対話集会でした。

    本活動は、2020年にニューヨークで行われた「コンビーニング」を皮切りに、マインドスケープスのパートナーとなる4都市で開催されました。都市化、人種差別、差別と排除、ジェンダー、貧困、災害、新型コロナウイルス感染症の大流行が与える影響などの、各都市固有のメンタルヘルスに関する諸々の課題を洗い出し、そこに紐づくテーマを掲げ、解決に向けた具体的なアイデアも生み出してきました。最終的にはパートナー都市のベンガルール(インド)で開催されたMINDSCAPES INTERNATIONAL SUMMIT(2023年4月20日~26日)にて、各都市での学びを共有し、さらなる学びとアクションへ繋げることを目的に活動してきました。

    全4回にわたり開催したコンビーニング(2022年5月〜2023年2月)は、東京と富岡町(福島県)を会場に、森美術館とNPO法人インビジブルが企画協力し「ミュージアムやアートプロジェクトは、メンタルヘルスクリニックになりえるのか?」という問いをテーマに取り組みました。

    コンビーニングの参加メンバーが活躍する分野は、アート、医療/福祉、法律、教育など多岐に及び、日々各々の活動を通して精神衛生上の問題に直面している実践者や研究者から成り立ちました。参加者が安心してコミュニケーションが図れる環境を担保するために、非公開での活動を行ってきました。

    初回のコンビーニング「#0」は、オンラインにて参加メンバーの顔合わせを目的とした決起集会を、次の「#1」では、森美術館を会場に美術館、アーティスト、アート作品の役割のプレゼンテーションの後にグループディスカッションを行いました。更に「#2」では、東日本大震災時に発生した福島第一原子力発電所の事故の影響が現在も続く福島県双葉郡富岡町界隈(浜通り)にあるミュージアム巡りをはじめ、地元で生活する方々それぞれの生きた経験や「物語」に焦点を当て、災禍そしてメンタル面におけるレジリエンス(回復すること)を考えるなど、地域のコンテクストと特性を活かしながら、本テーマについての意見や感情の交換を参加メンバーと共に行いました。

    シリーズ最終回のコンビーニング「#3」では、2日にわたり「ミュージアムやアートプロジェクトは、メンタルヘルスクリニックになりえるのか?」という命題に対し、方向性やあり方についてまとめながら、次なるフェーズに活かせる具体的な6つの企画構想を行いました。

    企画協力:森美術館

コンビーニング#3 ミュージアムやアートプロジェクトは、メンタルヘルスクリニックになりえるのか? 

日時:2023年2月18日(土)、19日(日)10:00〜17:00
会場:YAU STUDIO
最終回となるコンビーニング#3では、「ミュージアムやアートプロジェクトは、メンタルヘルスクリニックになりえるのか?」という命題に対し、方向性やあり方についてまとめながら、より具体的に次なるフェーズに向けた活動を行いました。


コンビーニング#2 災禍からのレジリエンス

日時:2022年9月3日(土)、4日(日)9:00〜18:00
会場:福島県双葉郡富岡町、双葉町
新型コロナウイルスや東日本大震災など、様々な災禍によって変化する私たちの社会。そして私たち自身。コンビーニング#2では福島県の富岡町と双葉町を訪れ、その地で生きる人々の経験や物語に耳を傾けながら、災禍からメンタルヘルスを回復させるために必要なことを議論しました。


コンビーニング#1 コロナ禍における暴力

日時:2022年7月8日(金)13:00〜17:00
会場:森美術館オーディトリアム
コンビーニング#1では、森美術館における「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」展の参加作家である、飯山由貴さんの新作《影のかたち: 想像された共感》を出発点にディスカッションを行いました。


コンビーニング#0 キックオフ

日時:2022年5月13日(金)19:00〜21:00
会場:オンライン
コンビーニング#0では、キックオフイベントとして、コンビーニング参加者との初顔合わせ、オリエンテーションを目的とし、医療人類学がご専門である北中淳子先生によるオンライン講演「日本のメンタルヘルス問題の現状」を開催しました。

  • これはコンビーニングに参加した運営スタッフによる活動の記録です。

    コンビーニング#3
    コンビーニング#2
    コンビーニング#1

  • 飯山由貴(美術作家)
    上野千蔵(撮影監督・映像作家)
    岡田真澄(森美術館企画グループラーニング担当リーダー)
    尾谷恒治(弁護士・法務博士、税理士)菊池綾子(精神保健福祉士)
    熊倉晴子(森美術館アシスタント・キュレーター)
    篠原史生(看護師、日本学術振興会特別研究員)
    白木栄世(森美術館アソシエイト・ラーニング・キュレーター)
    塚田有那(編集者、キュレーター)
    富樫多紀(カルチュラル・プロデューサー)
    ドミニク・チェン(情報学研究者、起業家、早稲田大学文学学術院 表象メディア論系・准教授)
    登久希子(日本学術振興会特別研究員)
    林敬庸(建築家、大工)
    よしおかゆうみ(ファミリー心理カウンセラー、プリマリタルカウンセラー)
    嘉原妙(アートマネージャー、アートディレクター)
    yoyo.(料理人)

    コンビーニング#1参加者
    片岡真実(森美術館 館長)、斉藤多美子(森美術館運営担当 アシスタントマネージャー)、塚田有那(編集者、キュレーター)、德山拓一(森美術館 アソシエイト・キュレーター)

    コンビーニング#3参加者
    伊藤美咲、清田結、國田葵、久保谷日葵(UI都市調査プロジェクトユース調査員)、ハ・ジュオン(大学院生)

アーティストとユースがメンタルヘルスについて探求する共同調査

  • UI都市調査プロジェクトは、都市におけるメンタルヘルス(Mental Health)のあり方について、アーティストとユースの視点や発想、アプローチから実験的な共同調査に挑むアートプロジェクトです。

    上野千蔵(映像作家)、林敬庸(建築家・大工)、yoyo.(料理人)の3名がリード調査員(Lead Investigator)となり、それぞれの「都市とこころ/精神の健康」から発想した3つの調査テーマを10代〜20代のユース調査員と共に探求するプロジェクトを展開しています。

    本プロジェクトの要となるのは、活動のプロセスそのものです。都市におけるメンタルヘルスの理解、発見、気づきを各々のプロジェクトに還元することで更なる学びにつなげ、チームオリジナルの対策、思考ツール、行動の切り口といった「提案」というかたちの「作品」を生み出すことでコミュニケーションのきっかけを育みます。また、UI都市調査プロジェクトの活動アーカイブを目的とした記録撮影チームを西野正将(美術家)が率い、4名のユースと共に映像記録を制作しています。

    時代と共に生活様式が変化し、いまだ自らの「こころ(心)」の状態を話しにくい現代社会において、メンタルヘルスは大きな社会問題となっています。特に都市の生活環境には、孤独やストレスなど、こころの健康を害する要因が多く存在し、コロナ禍によってICT化にも拍車がかかり、気付かぬうちに人間の心性、感情をつかさどる神経にまで損傷、亀裂を生むリスクがあると言われています。

    ユース調査員が関わるUI都市調査プロジェクトは、多世代間の交流や対話を重視した探求・体験型の学びの機会です。マインドスケープスの特徴でもある、世代という枠にとらわれない各々の経験を最大限に生かしながら、本プロジェクトがこれからを担う世代と共にアートや文化がすべきことを探究し、「こころの健康」を考えるきっかけになることを願っています。

    ※学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校の体験学習企画課・経験学習部と連携をし、公募を通じて学園生を募集し、本活動のユース調査員として総勢21名が参画しています。

    文:菊池宏子/2022年7月原文執筆時点

  • 調査プロセス
    UI都市調査プロジェクトでは、大きく分けて4段階の調査フェーズ(Phase)を決めて、段階的にプロジェクトが発展していきました。

    プロセスマップ

    フェーズ① 問いを絞る(2022年7月末スタート)
    リード調査員と共にテーマについて意見交換や可能性を探求しながら、調査内容の焦点を絞っていく
    フェーズ② 都市を開拓する(2022年8月〜10月)
    実験的な調査探究やワークショップを行い、観察やインタビューなどを通じて様々な視点を集め調査を深める
    フェーズ③ 発想をカタチにする(2022年10月〜2023年2月)
    共創によって見出された調査成果を生かしながら、リード調査員を中心に更なる学びに繋がるツール/仕組みをつくる
    フェーズ④ 共有する(2022年10月〜11月、2023年2月〜3月)

食×メンタルヘルス

  • リード調査員:yoyo.(よーよー)
    ユース調査員:國田葵、久保谷日葵、時末怜佳、中井結菜、廣﨑もえ、ミ・ショシン
    撮影担当:野村優那、ミリグラム

    yoyo.(料理人)
    東京都出身、現在は新潟市を拠点に活動。「ごはんをつくる」ことを通して、田舎も都会も、子どもも大人も、貧富の差も関係なく、みんなが豊かに暮らせる世界を創ることを目指しています。

  • 調査テーマ:”こころを扱う場”を求めて
    こころを扱う場って、あなただったらどんな場所を想像しますか? 調査員のみなさんとゆっくり話し合いながら、食べることについて考え、丁寧に生きていくこと、目に見えない「こころ」について一緒に考えます。

    文:yoyo./2022年7月プロジェクト始動時点

  • 日本の都市に潜む、こころを扱う場所や時間の欠如。「みそしる点前(てまえ)」は、リード調査員である料理人のyoyo.とユース調査員が調査を通じてつくりあげた、自分の心を整えるための作法です。

    調査の過程では、茶室や食べ物をつくる職場の見学に加えて、美術館を訪れたり、料亭へも足を運んだり、作法に必要な空間や道具、それらの意味や背景を探るべくさまざまな場所へ出かけました。さらに「食べること」をめぐって、調査員のみんなでごはんをつくり、食事をし、片付けをし、時には合宿をして、みそしる点前の実験を重ね、心を扱うための行為をさまざまな角度で探究してきました。また、「みそしるチャレンジ」と称し、7日間毎日、自分の食べたお味噌汁と毎日継続した行為の写真をSNS投稿する試みも行いました。ユース調査員ならではの発想から生まれた作法のひとつひとつは、失われがちな自分自身と対峙する時間をつくるきっかけを促します。

    文:MINDSCAPES TOKYO WEEK用に作成

  • [[ youtube ]] https://www.youtube.com/embed/xm0IVrb4Rkw

    これは「マインドスケープス東京」におけるUI都市調査プロジェクト食チームのリード調査員、yoyo.のインタビュー映像です。
    共に全プロジェクトを伴走した記録撮影チームのリーダーである西野正将がインタビューを実施。各アーティストがリード調査員の活動を通して得た気づきや葛藤などを収録しました。

    撮影・編集:西野正将(美術家、映像ディレクター)
    撮影日:2023年2月20日(月)

    インタビュー トランスクリプト英語翻訳版(標準サイズ)
    インタビュー トランスクリプト英語翻訳版(ラージサイズ)

  • これまでの活動プロセスをユース調査員がまとめました。

    食×メンタルヘルス 制作ノート

成果物

みそしる点前
8分13秒
2023

「みそしる点前(てまえ)」は、リード調査員である料理人のyoyo.とユース調査員が調査を通じてつくりあげた、自分の心を整えるための作法の流れをまとめた映像です。
撮影・編集:國田葵、久保谷日葵、時末怜佳、中井結菜、廣﨑もえ、ミ・ショシン
監修:yoyo.(料理人)
協力:西野正将(美術家、映像ディレクター)

みそしる点前 一人暮らしアーバンVer.
7分13秒
2023

この映像は、都市に住む一人暮らしの方々のために制作されています。
撮影・編集:西野正将(美術家、映像ディレクター)
監修:yoyo.(料理人)


フォトギャラリー

日本建築×メンタルヘルス

  • リード調査員:林敬庸(はやし たかつね)
    ユース調査員:伊藤美咲、イ・ユビン、上里麻尋、清田結、工藤英翔、柴田空、横見賢一、零音
    撮影担当:道岡拓未

    林敬庸(建築家・大工)
    西粟倉村(岡山県)を拠点に、90年以上にわたり神社、仏閣、住宅などの建築物を造り続ける家業を引き継ぎ、その3代目として20年の経験を持つ。日本の木造建築技術や文化を後世に伝えるために、国内各地でワークショップ、まちづくりの活動、デジタル建築なども手がける。2016年以降、アートプロジェクトや芸術祭などにも参加している。

  • 調査テーマ:究極の「寝床」をつくる
    人それぞれ安心して眠れる環境は異なります。生活習慣や日々のストレスなど眠れない原因はさまざまです。人々の生活空間をつくり続けてきた大工である僕と一緒に、意見交換したり、街歩きをしたり、実験的に寝る空間を造作しながら、心も体も安心して眠ることができる究極の「寝床=シェルター」を生み出していきたいと思っています!

    文:林敬庸/2022年7月プロジェクト始動時点

  • “「究極の寝床」とは何なのか?”を調査すべく、リード調査員である大工・林と10代のユース調査員は、実際に東京の街を歩き回り、対話をし、各自のアイデアから寝床の模型を制作しました。

    調査では、老舗の寝具店を訪れ最高の寝心地に出会い、防災センターで避難所での眠りを体験し、建築展で家具や空間のデザインを学ぶことも。さらには、香りを専門とした企業の協力で眠りに最適な香りを探究し「究極の寝床」を求めてさまざまな切り口で調査を進めてきました。

    それらの調査を踏まえ、各々のアイデアを詰め込んだ寝床の模型はユース調査員の主導でVR空間としてかたちづくられ、仮想世界として体験するプロジェクトから、ユース調査員のアイデアをもとにした日本建築の寝具や、調査の過程で得たアイデアをまとめた『究極の寝床論』など、10代ならではの視点を通して見えてきた「究極の寝床」の現在地を示しています。

    協力:塩野香料株式会社株式会社キチベエ

    文:MINDSCAPES TOKYO WEEK用に作成

  • [[ youtube ]] https://www.youtube.com/embed/eRtj5i1jYS8

    これは「マインドスケープス東京」におけるUI都市調査プロジェクト日本建築チームのリード調査員、林敬庸のインタビュー映像です。

    共に全プロジェクトを伴走した記録撮影チームのリーダーである西野正将がインタビューを実施。各アーティストがリード調査員の活動を通して得た気づきや葛藤などを収録しました。

    撮影・編集:西野正将(美術家、映像ディレクター)
    撮影日:2023年2月20日(月)

    インタビュー トランスクリプト英語翻訳版(標準サイズ)
    インタビュー トランスクリプト英語翻訳版(ラージサイズ)

  • これまでの活動プロセスをユース調査員がまとめました。

    日本建築×メンタルヘルス 制作ノート

成果物① 究極の寝床論

「究極の寝床をつくる」ことをテーマに活動した日本建築チームは、調査を通じて「贅沢なものではない。それぞれにしか存在しない空間=『究極の寝床』」という考えに至りました。彼らの結論・仮説を、調査員9名が描いたそれぞれの究極の寝床のデッサンや、寝床に関する論考をまとめ『究極の寝床論』として書籍化した作品です。編集、書籍のデザインは、調査員の一人であったイ・ユビンが担当しました。

成果物② 究極の寝床VRツアー(映像版)

究極の寝床VRツアー
1分11秒
2023

「究極の寝床をつくる」ことをテーマに活動した日本建築チームは、調査を通じて「贅沢なものではない。それぞれにしか存在しない空間=『究極の寝床』」という考えに至りました。そこで、調査の一環として各々のユース調査員が制作した建築模型をベースにつくった調査成果の一つとして「究極の寝床」が体験できるVR空間を制作し、1分ほどの映像にまとめました。

実体験に限りなく近いリアルな体験ができるといわれるVRの空間は、すべて日本建築チームユース調査員の手によるもの。それぞれが考える究極の寝床の世界観に是非とも没入してみてください。

構想:伊藤美咲、イ・ユビン、清田結、工藤英翔、柴田空、横見賢一、零音
VR制作・監修:横見賢一
映像編集:横見賢一

究極の寝床VRツアー(体験版)

調査で制作した「究極の寝床」の建築模型を、VR空間で体験することができます。実体験に限りなく近いリアルな体験ができるといわれるVRの空間は、すべて日本建築チームユース調査員の手によるもの。それぞれが考える究極の寝床の世界観に是非とも没入してみてください。

成果物③ 究極の香り

マインドスケープスの活動に共感してくださった株式会社キチベエと塩野香料株式会社(香料開発)のご協力をいただき、「究極の寝床をつくる」というテーマに基づいた日本建築チームの活動の一環として、睡眠空間に適した「究極の香り」を探求しました。​MINDSCAPES TOKYO WEEKでは、調査員と段階的に行われたワークショップを経て絞り込まれた3種類の試作品を展示し、来場者が自身にとっての究極の香りに投票できるアンケート企画を実施しました。

成果物④ 寝床

檜、杉、樫、畳 2023

今回のメンタルヘルスのテーマの中で、改めて人間にとって安心して、眠ることができる環境について考えていきたいと思いました。僕は阪神大震災を経験し、避難場所でみた景色が今でも忘れられません。赤ちゃんと添い寝する親の姿や、介護が必要な高齢者まで、人が本質的に休息を得るための環境の違いにも気づかされました。その後大工として人々の生活空間をつくることを営んできましたが、特にここ数年では、コロナ禍、世界情勢も揺らぎ、そして自然災害も多くある日本の中、改めて人間の身も心も安心して眠ることができる空間「シェルター」について考えながら、避難所を訪れたり、専門家から学びながら、ユース調査員と究極の寝床について考えていきたいと思いました。

「贅沢なものではない。それぞれにしか存在しない空間=『究極の寝床』」という考えに行き着きながらも、調査期間に起きたこと、考えたこと、調査員仲間との何気ないやりとりなどを思い起こした時に、大工であるリード調査員として、総括の意を込めてみんなの思いや私自身の考えを具現化したのがこの「寝床」でした。そこで、高い抗菌性やストレス解消にも効果があるとされる檜(ヒノキ)、そして温度調整や空気の浄化、消臭効果などに優れている井草の畳を素材に、日本建築の木組の技法を使い、釘を使わずどこでも組み立てることができる伝統的な寝床を造作しました。並行して「究極の香り」を考える活動もあったことから香りの要素も盛り込みました。またユースとの活動を通じて、後世が安心して眠ることのできる環境や「生命」についても考えました。そこから「ゆりかご(揺籠)」という発想に発展し、この寝床の土台をゆりかごのように造りました。

文:林敬庸/2023年2月プロジェクト始動時点 


フォトギャラリー

映像×メンタルヘルス

  • リード調査員:上野千蔵 (うえの せんぞう)
    ユース調査員:新井悠斗、岩井凛、内山 遥、大西弥月、古波鮫美空、玉谷奏空
    撮影担当:ミツキ、ミリグラム

    上野千蔵(撮影監督・映像作家)
    1982年鹿児島県出身。映画、広告、ミュージックビデオを中心に活動。また小規模なスタイルで、主に自然の恵みを美しく享受し共生する人々や、社会問題にフォーカスしたドキュメンタリー映像も多数制作している。水や植物、光など、自然の複雑で有機的なものに関心を持ち、近年は芸術祭などでインスタレーション作品などを発表している。

  • 調査テーマ:「フツウ」ってなに?
    友達に「君ってすごく普通だよね」と言われたらどう感じますか?
    そもそも普通の人ってどんな人? 例えば、迷惑をかけない人は普通の人? じゃあ人に迷惑をかけない方法は・・・このような問いかけや疑問を出発点としながら、心の病とは、普通とは何か、そして普段「あたり前」のように使っている言葉や考え方を、一緒に問い直しながら、調査テーマについて深める映像づくりをしたいと思っています

    文:上野千蔵/2022年7月プロジェクト始動時点 

  • “ふつうの人ってどんな人だろう?”
    この問いに対して調査員たちはさまざまな対話を重ねていきました。「本当にふつうの人なんていないんじゃないか?」「普通じゃない人=異常な人、病気の人、ではなく、個性的で特別な人として、お互いを受け入れあう事はできないだろうか?」「相手を受け入れる為に何ができるか?」と、対話を深めながら、以下のルールをつくり“ふつう”についてのインタビュー映像を撮影しました。

    「お互いに触れ合える距離で、お互いの目を見つめ合い、お互いを思いやる気持ちで撮影する」

    ユース調査員はこのルールを元に、自分の大切な人を二人きりで撮影してきました。触れ合えるほど近い距離で撮影された映像には、被写体だけでなく、撮影者であるユース調査員の存在も映し出されています。10代であるユース調査員が、一人の人を見つめるリアルな眼差しによって、さまざまな“ふつう”が映し出され、“普通”を形作る社会に対して新たな問いと、気づきを与えてくれます。

    機材協力:富士フイルムイメージングシステムズ株式会社

    文:MINDSCAPES TOKYO WEEK用に作成

  • [[ youtube ]] https://www.youtube.com/embed/ukSMxDSfn-0

    これは「マインドスケープス東京」におけるUI都市調査プロジェクト映像チームのリード調査員、上野千蔵のインタビュー映像です。

    共に全プロジェクトを伴走した記録撮影チームのリーダーである西野正将がインタビューを実施。各アーティストがリード調査員の活動を通して得た気づきや葛藤などを収録しました。

    撮影・編集:西野正将(美術家、映像ディレクター)
    撮影日:2023年2月20日(月)

    インタビュー トランスクリプト英語翻訳版(標準サイズ)
    インタビュー トランスクリプト英語翻訳版(ラージサイズ)

  • これまでの活動プロセスをユース調査員がまとめました。

    映像×メンタルヘルス 制作ノート

成果物

あなたは自分の事をふつうだと思いますか?
24分58秒
2023

撮影:新井悠斗、岩井凛、大西弥月、古波鮫美空、玉谷奏空
ディレクター:上野千蔵(撮影監督、映像作家)


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記録撮影チーム

  • 記録撮影チーム隊長 西野正将(にしの まさのぶ)
    ユース調査員:野村優那、道岡拓未、ミツキ、ミリグラム

    西野正将(美術家・映像ディレクター)
    1982年大分県生まれ。2007年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。日常の中で捉えた違和感を題材に、メディアにとらわれないスタイルで現在まで多数の展覧会に参加。作家活動と同時に映像ディレクターとしても活動している。

  • UI都市調査プロジェクトでは、西野が率いる記録撮影チームに参加したユース4名が、各調査チームの記録(映像、写真)を担当しました。

  • 西野さんサムネイル

    本インタビューは、デンマークを拠点に社会の構造変化を促す活動をするENACT:LABが、Mindscapesのラーニング・パートナーとなり、Mindscapesの活動中に生じる学びを記録することを目的に行われました。ENACT:LABが用意した質問内容に基づき、マインドスケープス東京のコーディネーター(インターナショナル・リレーション、MTWユース実行委員会)・富樫多紀が聞き手となり、UI都市調査プロジェクトに参画したアーティスト4名を対象に、2022年12月19日にオンラインで実施されました。ここでは西野正将とyoyo.のインタビューをご覧いただけます。

    西野正将 + yoyo. インタビュー
    聞き手:富樫多紀

    インタビュー トランスクリプト英語翻訳版(標準サイズ)
    インタビュー トランスクリプト英語翻訳版(ラージサイズ)

  • これまでの活動プロセスをユース調査員がまとめました。

    記録撮影チーム 制作ノート

成果物① Y/U FESドキュメント

2023年2月20日から28日までの9日間、東京・有楽町にあるYAU STUDIOで開催されたアート・文化的視点からメンタルヘルスを考える「マインドスケープス東京」活動報告&交流イベント「MINDSCAPES TOKYO WEEK」が開催されました。この映像は、プロジェクトに参加していたユース(高校生)達から構成されるMTWユース実行委員会が自主的に企画した2日間限りの企画内企画「Y/U FES(ユーフェス)」の1日を、同じく記録班として参加していたユースが撮影・制作したものです。「Y/U FES」では、「マインドスケープス東京」のメイン展示に加え、彼らが企画した特別展示やワークショップ、各種イベントが終日開催されました。

UI都市調査プロジェクト記録撮影チーム
ディレクター:①ミツキ ②道岡拓未 ③野村優那
撮影:①ミツキ、ミリグラム ②道岡拓未、ミリグラム ③野村優那、道岡拓未、ミリグラム
監修:西野正将(美術家、映像ディレクター)

成果物② MTWサイネージ

「マインドスケープス東京」の写真・映像記録を担当した西野正将(美術家・映像ディレクター)による活動アーカイブ。UI都市調査プロジェクトでは、西野が率いる記録映像チームに参加したユース4名が撮影した映像を用いてMINDSCAPES TOKO WEEKのためのサイネージを制作しました。

UI都市調査プロジェクト記録撮影チーム
記録撮影チーム隊長:西野正将(美術家、映像ディレクター)
ユース:野村優那、道岡拓未、ミツキ、ミリグラム


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  • コロナ禍を経て、心の健康がますます重要視される中で、「メンタルヘルス(Mental Health)」に対する理解や対処、議論を根本的に問い直すことを目的に、ニューヨーク(アメリカ)、ベンガルール(インド)、ベルリン(ドイツ)、東京(日本)の世界4都市のパートナーと共に相互に連携する国際的な文化プログラムが2020年にスタートしました。そして、NPO法人インビジブルが事業パートナーとなり、2022年春には「マインドスケープス東京」の活動を始動し、多様な意見から議論を深め、共に学び合うことを目的とした対話集会「コンビーニング(Convening)」と、都市におけるメンタルヘルスのあり方についてアーティストとユースの視点から共同で調査に取り組む実験的なアートプロジェクト「UI都市調査プロジェクト(Urban Investigation Project)」の両事業の企画運営を担ってきました。

    MINDSCAPES TOKYO WEEK(MTW)は、東京・有楽町にあるYAU STUDIOを会場に2023年2月20日から28日までの9日間に渡り、マインドスケープス東京の集大成として活動報告&交流イベントとして開催されました。会場には、オープンスタジオ形式で成形されたUI都市調査プロジェクトの活動成果物などが展示され、会場入口には西野正将(美術家・映像ディレクター)が担当したマインドスケープス東京の写真・映像記録から制作されたアーカイブ映像を鑑賞しながら、参加者各自の視点で「メンタルヘルス」について考える参加型エリア「ルーム雑感」が設置されました。そのほかにも、ゲストを囲みさまざまな角度でマインドスケープス東京の活動について考える場「サロンZ」、スペシャルなホストとともに夜を楽しむ「スナック雑感」、さらにはマインドスケープス東京のパートナーを紹介する「コミュニティ・テーブル」など、対話を促進する環境づくりに力を入れました。また、本活動の大きな特徴として、UI都市調査プロジェクトに参加したユースの有志で構成されたMTWユース実行委員会が中心となり、自主企画したイベント「Y/U FES(ユーフェス)」の開催、来場者の体験を考慮したケアや個別ガイドツアーなど、MTWの運営を担いました。400名以上が訪れ「メンタルヘルス」について考え、学び、具体的な次のアクションに繋がる機会が生まれたMTWは、引き続きこのテーマに向き合い続けていくことの重要性を示し閉幕しました。

    <開催情報>
    MINDSCAPES TOKYO WEEK ーアートと文化的な視点から考えるメンタルヘルスとは?ー
    会期:2023年2月20日(月)〜 28日(火) 12:00 〜 19:00 ※19:00以降開催イベントあり
    場所:YAU STUDIO(千代田区有楽町1-10-1有楽町ビル10F)
    協力: 有楽町アートアーバニズム(YAU)

  • 「サロンZ」は、マインドスケープス東京の活動について様々な角度から考える場を提供することを目的に開催しました。初日には、コンビーニングの参加者でもあり、UI都市調査プロジェクトの拠点となった東京ガレージ代表・よしおかゆうみ(ファミリー心理カウンセラー)とユースが意見交換をする機会が設けられました。また、文化人類学者の登久希子がモデレーターとなり、キュレーターの青木彬さんと共にアートとケアのあり方について考える回や、貴重な資料をもとに精神病院における生・生活のあり方を体感する「アーカイブズの想像力:『王子脳病院』を経験する」と題したワークショップも開催されました。そのほかには、MINDSCAPES TOKYO WEEKの開催会場であるYAU STUDIOの運営メンバーの森純平さんと共に、都市における場所のあり方や開き方について考える機会を設けました。

    この「サロンZ」という名前は、マインドスケープス東京の活動キーワードとなった「雑感 (Zattkan)」に由来しています。雑感という言葉は、日本語特有の表現であり、文化的な視点からメンタルヘルスについて考える重要な役割を果たしました。さまざまなトークやワークショップが行われる場所こそ、このキーワードを体現する場所となることを願い、頭文字である「Z」を冠した「サロンZ」という名称を選び、活動に取り組みました。

    プログラム開催概要 
    Salon Z:MTW オープニングセッション
    2023年2月20日(月)19:00 〜 19:30
    MINDSCAPES TOKYO WEEK初日には、共同主催者であり、ウェルカム・トラストの文化パートナーシッププログラム・プロジェクトオフィサーを務めるアンテーア・ロンゴによるプレゼンテーションや、UI都市調査プロジェクトメンバーによる「調査結果発表ツアー」などが開催されました。その他、海外からは、作家でありMindscapesライター・イン・レジデンスのプリヤ・バジルや、人類学者であり、ベルリン開催のプロジェクトを担当したマルガレッタ・ボン・オスワルドも参加しました。

    Salon Z:よしおかゆうみ&映像チーム
    2023年2月21日(火)18:00 〜 19:30
    菊池宏子(Mindscapes東京統括アーティスト)がモデレーターとなり、UI都市調査プロジェクトの映像チームが制作した映像を鑑賞し、そこを基点にゲストや映像制作に携わったメンバー、そして他チームのユースも参加し、共にメンタルヘルスについて考えました。

    Salon Z:サロンZ x YAUサロン
    2023年2月22日(水)18:00 〜 19:30 
    NPO法人インビジブルの林曉甫がモデレーターとなり、MINDSCAPES TOKYO WEEKの開催会場であるYAU STUDIOの運営メンバー森純平さんと共に、都市における場所のあり方や開き方について考える機会を設けました。

    Salon Z:ワークショップ「アーカイブズの想像力:『王子脳病院』を経験する」
    2023年2月24日(金)18:00 〜 20:30 
    今回はワークショップ形式で、(一財)小峰研究所が所有する「王子脳病院」の貴重な資料をもとに精神病院における生・生活のあり方を体感します。1901年に東京の滝野川に設立された「王子脳病院」は、1945年の空襲で全焼するまで、日本の精神病治療の最先端を担う医療施設のひとつとして知られていました。「王子脳病院」のアーカイブズ資料には、当時の「患者」たちの記録が精神科医のカルテ(病床日誌)として、看護師たちの看護日誌として、あるいは本人の手記として、複数の視点から残されています。それらをもとに「病」を歴史的・社会的な文脈から再考してみましょう。
    制作ノート

    文:登久希子/2023年2月時点

    Salon Z:「アートとケア:身体とこころをうごかすこと」青木彬(ホスト:登久希子)
    2023年2月25日(土)13:00 〜 15:00 
    「作業療法」における「作業」とは、身体的な活動を通して人間の心身をより健康な状態へと導こうとする試みです。ひとりで何かをつくることに没頭したり、複数の人たちと一緒に何かをつくりあげること、身体とともに試行錯誤することは、それを行う人間に何をもたらすのでしょうか?それらの活動をアートの側から眺めてみることで、どんなことが明らかになるでしょうか?今回は青木彬さんをお招きし、精神病院やセツルメント運動についてのリサーチ、ご自身の「遺灰」を用いた「義足」づくりの経験などをご紹介いただいたあと、参加者の皆さまと一緒にアートとケアのあり方を考えていきたいと思います。
    制作ノート

    文:登久希子/2023年2月時点

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  • 「スナック雑感」は、MTWのスタッフから磯谷香代子、林曉甫、広報として携わった佐藤ビンゴ氏率いるafumiチーム、そして料理人yoyo. など、毎回異なるホストと共に日々の雑感を交換し合う癒しの場所です。解体が決まっている有楽町ビルからの夜景を楽しみながら、MTWの鑑賞者やYAU STUDIOの利用者らが集い、様々な話や繋がりが生まれる機会となりました。

    マインドスケープス東京の活動キーワードとなった「雑感」。日本語特有の表現であるこの言葉は、文化的な視点からメンタルヘルスについて考え、また参加者一人ひとりが気を張らずに発言をする上で重要な足がかりとなりました。

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  • MINDSCAPES TOKYO WEEKに向けて、UI都市調査プロジェクトに参加したユースの中から希望者を募り「MTWユース実行委員会」が結成されました。彼らは主導的な役割を果たし、イベント期間中の9日間にわたって来場者の体験を考慮したケアや個別のガイドツアーを提供するなど、MTWの運営に取り組みました。また、2023年2月23日と26日には、ユース実行委員による自主企画イベントである「Y/U FES(ユーフェス)」を開催しました。

    メンバー:伊藤美咲、清田結、國田葵、久保谷日葵、柴田空、時末怜佳、中井結菜、野村優那、零音

    MTWユース実行委員会×N/S高新聞

    MTWユース実行委員会の中でN/S高新聞実行委員に所属している5名のユースが、N/S高新聞として合計3本の記事を発信しました。

    N/S高×NPO法人インビジブル 「UI都市調査プロジェクト」とは? N/S高生調査員が解説!(2023.2.15)
    メンタルヘルスってなんですか?〜海外ゲストに聞いてみた〜(前編)(2023.7.13)
    メンタルヘルスってなんですか?〜私たちが答えてみた〜(後編)(2023.7.14)

  • MTWに関わったユースたちが案内役となり、世界4都市のパートナーにマインドスケープス東京の活動や状況を伝えることを目的に、ユース実行委員として、またUI都市調査プロジェクトの参加メンバー各々の経験や視点から解説をし、非公式&バイリンガルで短編映像集を制作しました。その時のユースの様子や雰囲気が伝わるガイドツアーです。無編集ですのでカメラの揺れなどご注意いただきながら、ご覧ください。

    案内役:伊藤美咲、唐川麻祐子(英語通訳)、清田結、國田葵、久保谷日葵、柴田空、時末怜佳、中井結菜、野村優那、零音
    MTWバーチャルガイドツアー

  • 日時:2023年2月23日(木)、26日(日)
    会場:YAU STUDIO

    Y/U FES(ユーフェス)とはUI都市調査プロジェクトに参加したユースの有志で構成された「MTWユース実行委員会」によって開催された参加型のイベントです。様々な世代や普段関わりのない人たちと交流すること、メンタルヘルスをより自分の観点から捉えることなどを目的に、アイデア構想から運営まで行われました。ユースと会話をするというシンプルな企画内容ながらも直接的な心のやり取りが交わされる「MTW Talkspace With Youth」や日々の忙しさを忘れ頭を空っぽにするための空間「徒然部屋」、UI都市調査の思い出で大きなカルタを作って大会を開いた「思い出カルタ」など8つのユニークな企画がMTWを彩りました。企画名「Y/U FES」の由来はYouth/ユース、You/あなた、UI都市調査のUの3つのY/Uから名付けられました。
    Y/U FES アーカイブサイト

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